H. モーザー社について

物語の始まり

H. モーザー社の歴史は、19 世紀初頭、若き起業家ハインリッヒ・モーザーが自身のブランドを創設したときから始まります。シャフハウゼンの時計職人の家に生まれたハインリッヒは、先祖と同じ道に進み、時計製造の仕事を学びました。サンクトペテルブルクに渡って彼の地の貴族に信頼される時計職人となった後、1828 年に H. モーザー社を設立すると、スイスにも数百名の職人を抱える工房を開きました。ハインリッヒは、その一生で約 50万 個もの時計を製作したとされています。彼が手掛けた時計は、3 針のベーシックなものから「グランド コンプリケーション」まで多岐にわたっています。また、ハインリッヒ・モーザーは、シャフハウゼンの工業化に貢献したことでも知られており、中でもスイス初となった機械式水力タービンを利用した発電所の建設が最も有名ですが、他にも数々の歴史に残る業績を成し遂げました。

起業家 精神

その起業家精神は、19 世紀から 20 世紀まで常に、当時の起業家たちの指揮下で開発を進める H. モーザー社の中核をなし、21 世紀初頭の今日もなお大きな原動力となっています。H. モーザー社は、単に過去を再構築し、主流に従うのではなく、何世代も前のハインリッヒ・モーザーとまったく同じように、自らの未来を作り出すべく奮闘しています。もう創設者のハインリッヒ・モーザーに直々導いてもらうことは叶いませんが、その子孫が積極的に活動し、H. モーザーの伝統を支え続けています。

独立系

メーカー

まもなく 200 周年を迎える H. モーザー社は、現存する数少ない、独立した家族経営の時計メーカーのひとつです。自社一貫製造体制により、手作業で作り上げるすべての時計がブランドとしての価値基準を満たしていることを保証できます。極めて独自性の高い自社製機械式ムーブメントの設計および製作から個々のヘアスプリングの複雑な再成形から焼き入れまで、すべての工程を経た時計は、真の芸術作品と言えます。

クラフトマン

時計の製作に従事する職人たちは H. モーザー社の柱です。職人の存在がなければ、時計製造の伝統は遥か昔に途絶えていたことでしょう。H. モーザー社とその時計を際立たせているのは、何といっても職人のディテールへのこだわりです。最高品質のサステイナブルな素材の採用、価値観を同じくするパートナーとのみの提携を堅持することはたやすいことではありませんが、今後も邁進して参ります。

Responsible Jewellery Council

H. Moser & Cie.(H. モーザー社)では、これから何世代にもわたり確実にこれらの価値を守るために 、引き続き倫理的、社会的、そして環境に関する慣行について最も厳格な基準を設定して参ります。そのため、弊社は、Responsible Jewellery Council(RJC:責任あるジュエリー協議会)の会員にな りました。同会は、ジュエリーブランドが自社のサプライチェーン全体において倫理的、社会的に責 任ある慣行を推進しているかどうかを監査および認定する非営利組織で 。